就活を進める時、企業・業種研究をします。その中で、やはり気になるのは企業や業種別の平均年収ではないでしょうか。
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業種によって平均年収は変わる
しかし、この平均年収が結構な曲者です。
このブログの中でも少し紹介していますがこの平均年収は、比較する指標としては全くあてにならないのです。
例をあげてみます。
- 年収が200万円の人が9人、3千万円の人が2人の会社
- 年収が300万円の人が4人、600万円の人が6人、1000万円の人が1人の会社
それぞれの平均年収を計算すると、
①の会社が約710万円②の会社が約527万円となります。①の会社は全体のたった18%にすぎない年収3000万円の2人が平均を大幅に引き上げていることがわかります。②の会社は日本のほぼ平均的な給与分布だと思います。極端すぎると思いますか?しかし、①に近い分布の会社は日本にも結構あります。
年収中央値
もう一つ年収分布を測るためにをよく使われている指標で、『年収中央値』というものがあります。これは、上の会社11人の社員の中で、年収が多い人から数えて丁度真ん中に位置する社員の年収がいくらかを見る指標です。上の2社では、年収順位が6番目の人です。①の会社は、200万円で②の会社は600万円になり大幅に逆転してしまいます。
平均年収はあてにならない
上の例の様に、企業の業態や給与体系で社員の給与分布は違ってきます。歩合給の割合が非常に高い会社や、極少数の昇格した人だけが異常に高い給与をもらえる会社などは①のような年収分布になやすくなります。
平均年収を多く見せたい企業と少なく見せたい企業
話は変わりますが、上場企業は、年に1回『有価証券報告書』というものを提出しなければなりません。この中の指標の一つに企業の平均年収があり、開示が求められています。
しかし、この算出ルールに明確なものはなく、各企業それぞれ独自の算出方法で計算されています。
多く見せたい企業は、年収が低く出る非正規社員を除外して、正社員のみで平均年収を算出する。逆に少なく表示させたい企業は、日に数時間しか働かないパートの主婦も計算に入れる。
多く見せたいのはなんとなくわかりますが、なぜ少なく見せる必要があるのでしょうか?
実は、完成品メーカーなどに部品を納入しているメーカーは、少なく表示する傾向があります。あまり平均年収が高いと、完成品メーカーから部品の単価を下げるよう要求されたり、株主からより多くの配当を要求されるため、これらの圧力から自社や社員の給与を守るために少なく表示すると言う事情があるようです。
企業や業種によって変わる年収分布を知っておく
業種研究や企業研究をする際は、上の様に企業の業種や事情によって、年収の分布が大きく変わることを考慮に入れるようにしましょう。
会社口コミサイト一覧
また、口コミサイトなどは、同じ会社の正規・非正規社員やポジションごとの年収を知ることが出来るので結構参考になると思います。是非活用してみてください。
就職四季報も参考にしてみてください
就職四季報は、3年後離職率、年間ボーナス額、平均有給取得日数など詳しい情報が記載されていますのでこちらも参考にしてみてください。
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