以下のような記事を見つけました。
放送大学を卒業して見事大手企業2社から内定を獲得
この方は高校生の時勤めていたアルバイト先で10年以上フリーターをしている人を見て『自分は安定した職業に就きたい』と思ったそうです。
そして、高校卒業と同時に放送大学に入学⇒4年間で卒業を果たし、他の昼間通学制の学生と同じく新卒採用の就活後、見事大手企業2社から内定を獲得されました。
この記事からわかることは、“放送大学をきちんと評価し、放送大学卒業者を学歴フィルターにかけることなく新卒として扱う大手企業は確かに存在する”ということです。
また、この記事の中で、『放送大学を4年で卒業するなんてすごい!』と企業の担当者が評価してくれているのですが、放送大学はじめ通信制大学で学ぶことの大変さを理解してくれているからこその評価なのでしょう。
この記事は、放送大学で学位を取得してから就職しようと考えている人にとって、とても勇気付けられるものではないでしょうか。
放送大学の就職率
ところで放送大学を卒業して新規の就職をする人はどのくらいの割合でいるのでしょうか。
放送大学は、就職支援は行っていませんので、卒業後の詳しい就職先については公表されていません。
しかし、放送大学のホームページに在籍者 ・年間卒業者の属性データがありますのでこれを参考にかなりざっくりですが就職率を推測してみました。
放送大学の就職率を推測
全科履修生(在学者数は約5万人)で年間に卒業する人数は約5000人です。
その内就職目的で入学し卒業したであろう人はだいたい1割の400-500名。(根拠として職業別の内訳の中で無職(専業主婦・定年等退職者等以外) の人がだいたい1割)
この就職目的で入学⇒卒業した人に関係しそうな進路は、『 新規就職 』のほかに 『大学院進学』や『他の大学・専修学校進学』・『就職活動中』 があります。
進学についてもほぼこの属性の人たちがボリュームゾーンだとは思いますがここでは『新規就職』に絞って考えてみます。
先ずデータに載っている新規就職者数は、アンケートに回答した人の中での人数しかわかりませんでしたので、新規就職者数×全卒業者数/アンケート回答者数で計算すると、だいたい年間100名ほどの人が就職していると推測します。
就職目的で入学し卒業した人数が約400-500人ですから、この属性の卒業者のうち卒業のタイミングで就職した人の割合は年間20-25%になると思われます。しかし、これはあくまで卒業と同時に就職した人の割合です。
半数近くの人が9月卒業
放送大学は大学の性質上昼間通学制の学生のような3月卒業⇒4月就職の流れとは異なります。
放送大学の場合、9月に卒業する人が約4割ほどいて、9月卒業者の中で新規就職をする人は3月卒業に比べて少なくなっています。
これは、9月卒業後、春の新卒就職に向けて就活を始める人や公務員試験の勉強をスタートさせる人が多いためでしょう。このような人は放送大学の進路データにはのりません。
また、3月卒業の人でも卒業してから就活をスタートする人も多いと思います。このような人もまた放送大学の進路データにはのらないのです。
以上のような状況の中で卒業と同時の就職率20-25%は、私の感想としては立派な数字ではないかと思います。また、上にもありますように進学する人も1割強いますので、就職希望者数のみを分母にしたら更に就職率は高くなるでしょう。
かなりざっくりした計算ですが紹介してみました。
企業も知っているのかも
今日本でも生活格差が広がり、昼間通学制の大学に通えない若者が増えている⇒放送大学がそのセーフティーゾーンの役割を担っていると上の紹介記事でも書かれていますが、企業側もこのような学びたくても生活が苦しいため学費が安い放送大学に入学する若者が増えていることを知っているのかもしれません。
放送大学はじめ通信制大学を卒業することはかなり大変なことです。
経済的に厳しい中一生懸命努力し、社会に出ようと頑張る若者に企業もしっかり目を向けているのかもしれませんね。