ネットを見ていると各通信制大学の卒業率が掲載されているサイトを見かけます。
通信制大学は、昼間通学制の大学に比べて卒業率がかなり低い傾向にあります。
これはやはり、社会人として働きながら学ぶ人や、家計を助けるためにがっつり昼間アルバイトをする人などが多く学んでおり、学ぶ時間を確保するのが大変なことや、基本的には自宅での自学になりますのでモチベーションの維持が難しいことなどが原因だと思われます。
そして、これから放送大学をはじめ通信制大学への入学を考えている人も、学びを継続していくことができるか不安になるのでしょう卒業率を気にする方も多くいます。
放送大学の卒業率はいくらか
では、放送大学の卒業率はどのくらいなのでしょうか。
上で紹介したサイトや掲示板でたまに見かけるのが、放送大学の卒業率は1割程度といったことが書かれています。
『1割?低い!』って思いますよね。
また、別のサイトでは放送大学の卒業率を5割と紹介しているところもあります。
果たしてどちらが正解なのでしょう。
放送大学の公表している数値で計算
放送大学が公表している各数値データを見てみます。
令和元年の数値でみてみますと、在学生数(全科履修生)が約56000人で、入学者数が年間で約11700人、そして卒業者数が年間約5700人になっています。
おそらくですが、卒業率が1割といっている人は卒業者数を在学者数で割った数値で1割といっているのではないかと思います。
しかし、在学者数全員が卒業するのに必要な年数を満たしているわけではありませんので、さすがにこの1割という数値は無理があります。
放送大学は何学年といった概念がありませんのでこのような計算をする人もいるのかもしれません。
では放送大学の卒業率はいくらなのでしょう。
やはりここは、1年間に全科履修生として入学する人数に対して卒業する人数の割合でみるのがより正しい数値ではないでしょうか。
令和元年のデータでは、入学者数が11700人で、卒業者数が5700人ですので卒業率は約5割になると思います。
上記の各データは毎年大体同じような数値になっていますので、約1万人が入学して、5千人の人が卒業していくのでしょう。
残りの5千人は、在学期限が切れる・または2年間履修登録をしなかったため籍がなくなった人ではないでしょうか。
別でも紹介していますが、放送大学は履修登録をしなければ学費は発生しませんので、わざわざ退学届けを出す人もいないのではないかと思います。
しかし、放送大学は一度籍がなくなっても再入学が可能です(また入学金は必要ですが)ので、退学してそのまま再度入学する人もいると思われます。どのくらいの割合かはわかりませんが、退学者と翌年の入学者が重複しているケースもあかもしれません。
放送大学の卒業率は入学者数の半分程度と推測
以上から、放送大学の卒業率は約5割というのが正しい数値ではないでしょうか。
しかし、ほぼ自学で、5割の人が卒業する放送大学はやはりモチベーションの高い人が多く入学する大学なのだなと思いました。