私の職場に大学を中退して専門学校に入り、新卒の派遣社員として入ってきた人がいます。
中退した大学は 卒業要件が非常に厳しい地方の国立大学で5年間在学したのち中退してしまったようです。
理系大学は真面目に頑張っても卒業が難しいところもある
2013年頃だったと思いますが、政府からの要求で単位認定の厳格化が実施され、それを境に昔のように授業に出席していればとりあえず卒業できる時代ではなくなってしまいました。そして、その影響をもろに受けたのが政府の方針に過剰反応した地方の国立大学のようです。
そこそこ立派な大学を出た人でも、数学が大好きな人はほんの一握りでその他の人たちは過去問や人的ネットワークを駆使して何とか卒業した人たちです。
うちの会社にいる研究職や設計職に就いている人たちは、まさにその『数学が大好きだった人たち』なのだと思いますが、 私の職場はある程度の工学知識は必要ですが、大学で学ぶ広範囲の知識がすべて必要というわけではありません。
また、担当した案件に必要な範囲だけ再度学びなおす人もいますし、大学で学んだ小難しい計算は全てソフトがやってくれるケースもあります(というかほぼそれです)。
卒業後何年も経過している人たちは大学で学んだ工学に関する知識はほとんど飛んでいってしまった人たちが実は多いのです。
そんな中、その中退した人は大学で学んだ工学と仕事を結び付けて考えることができる少ない人として周りからかなり重宝されています。
それなのにその人は大学中退なのです。
何かおかしい日本の大学
東京の難関な部類に入る理系国立大学では入学時『ボッチやめますか?大学辞めますか?』なる貼り紙をして学生同士が協力して大学卒業を目指しましょう的な注意を促しているそうです。
一部の大学での数学がぴったりはまった人と優秀ではないけどコミュニケーション能力に長けた、または強引で要領のいいひとだけが学位を取得し寡黙な自分ひとりで何とか卒業を目指そうと努力する人が中退してしまう。
文系ならコミュニケーション能力や押しの強さは最上位にくるスキルだと思いますので若干理解はできますが、工学分野でコミュニケーション能力が低いと一部の独学だけで卒業できる人以外は卒業できないなんておかしい気がします。
確かにその若者は寡黙で、自分から積極的にコミュニケーションをとってくるわけではありませんが、話せば全く問題はないといった感じの人です。
連休になれば、地元に戻り幼馴染や高校のクラスメートと飲みに行った話も聞きます。おそらく不幸にも同じ学科で情報共有できる友達が見つけられず、自力で何とかしようと努力したのでしょうがだめだったのでしょう。
社会に出れば実力次第
しかし、社会に出ればそのような人をしっかり見てくれている人もまたいます。
その人は近く正社員への試験を受けるようです。頑張ってほしいです。